摩周岳登山道

摩周岳の特徴

摩周岳はアイヌ語で「カムイヌプリ」とも呼ばれ、神の山を意味します。カムイヌプリは珪長質安山岩の溶岩に富む小規模な成層火山です。およそ1000年前に発生した軽石噴火によって、頂上から眺めることのできる爆裂火口は直径1.5㎞×1.25㎞の大きさで形成され、以後活動を休止しています。5合目まではハナヒリノキやオニシモツケなどの低木類、トドマツやエゾマツ、ダケカンバなどの大きな樹木も見ることができます。高山性の植物としてはクロバナハンショウヅルやチシマセンブリ、スズランなど見事なお花畑も見どころです。頂上ではイワキンバイやイワギキョウなどが岩にしがみつくように生えています。

セルフガイドマップ表(pdf)
セルフガイドマップ裏(pdf)　イラストVer
摩周岳登山コース片道　7.2㎞
コースタイム　約5時間
摩周岳標高　857m
標高差　311m

摩周岳登山道ガイド

「摩周第一展望台」の脇に登山口があり、入林届を済ませたらスタート。登山道は摩周外輪山南側を歩き、頂上を目指す片道7.2キロのコース。歩きはじめゆったりとした下り坂が続き、その後、緩やかなアップダウンを繰り返しながらの行程となります。
登山道はよく整備されていますが、一部にハンノキやダケカンバが登山道にかかっているため、頭上を注意しながら歩きましょう。木々の間から根釧原野や西別岳・摩周岳などの眺望を楽しみながら、時々左手の摩周湖に目を向けると、少しずつ摩周湖の形が変化していき、展望台から見る摩周湖とはまた違った発見があるでしょう。通称「風衝草原」までたどり着くころには摩周湖は全く違った姿を見せてくれます。ここまででも充分登山の魅力を感じることはできるので、時間や体力に自信のない人は、ここを一つの折り返し地点とするのも選択肢になります。
西別岳への分岐点を過ぎ、最後の400mは一番キツイ登り坂となり、一歩ずつ丁寧に歩を進め、その先にはいよいよ摩周岳頂上。眼下には爆裂火口と摩周湖が迫り、360度を見渡すと、西別岳や藻琴山、雄阿寒岳、そしてどこまでも続く大地の広がり。大自然に身を委ねている爽快な気分に浸り、感動と満足感に包まれることまちがいなし！

摩周岳のお花

摩周岳の雪解けは毎年５月上旬～中旬ごろですが、その直後から多くのお花が見られるようになります。初夏の花として平地でも馴染みのあるエゾエンゴサクやエンレイソウや、チシマザクラ、ミヤマオダマキなど、種類はさまざま。季節がかわり、６月～７月になると、チシマフウロやヨツバシオガマ、頂上付近ではエゾツツジやキクバクワガタなどが見られます。ピンクや紫といったお花が終わると、トウゲブキやオトギリソウ、ヤナギタンポポなどの黄色いお花のシーズンがやってきます。また、摩周岳の隣に並ぶ西別岳への縦走コースもありますので、より多くのお花を楽しみたい方にはオススメです。

登山にあたって

年に2回、6月・10月に地元の団体により、ササ刈りが実施されていますが、実施日の天候などにより実施が延期されていることもあります。ダニなどの対策は忘れずに行ってください。また、夏の登山時期にはアブやブユが大量に発生し、着用している服の上からも噛まれる場合があります。少しゆとりのある長そで、長ズボンの着用などの虫対策が必要となります。途中、トイレなどの設備はありません。ゆとりある登山計画で登山をお楽しみください。